Windowsファンが書くMicrosoftの功績
優れているという定義
洗練されていて使いやすいというだけが優れているという訳ではない。
実際、様式美としてはMacのほうが優れていると思う。
では何が優れているかといえば、たとえば、AT互換(および後継)機の価格や、周辺機器の対応状況、Windows対応を謡うソフトウェアなどだろう。
Windows FirewallやWindows Updateは、余り知識がないユーザにも扱える。
キーボード、マウスを使用したGUIも、不足なく使えるように整っている。
Windows Server 製品群も、モニタリングツールや導入支援機能などで格段に使いやすくなった。
これらの要素を勘案して、Windowsが優れていると定義したとして、問題があるだろうか?
不満がない訳じゃない
もちろん、そんな優れたWindowsではあるが、不満がない訳ではない。
初心者にわかりやすいよう、さまざまな情報がレジストリに隠ぺいされているため、時に不可思議なトラブルに遭遇する。
パフォーマンスが悪くなった際、OSを再インストールする羽目になったことも多々あった。
進化の足跡
私のWindowsの使用歴は、Windows 3.1からもうすぐRTM予定のWindows 7までであるが、7はRC版で軽く触った程度なので、Vistaまでとして差し支えない。
この間、退化といえるのはWindows 2000→Windows Meくらいで、それも9x戦略の都合によるものであり、特段問題とは思っていない。
Vistaが失敗作と揶揄されるのは理解はできるが、それも一面的な比較での結論と思っている。
個人的には、Vistaの失敗はリリースが遅かったことであるが、Vistaの稼働に耐えうるハードウェアのリリースが間に合っていなかったので、ちょうど良い時期に出たのではないかという気もしている。
単純なパフォーマンスであれば、ロースペックでも動くWindows 95を使えばいいのである。
パフォーマンスに代え難い、進化した機能があるから、新しいOSが優れていると断言するのである。
そんな訳で、Windowsの所感をまとめる。
MS-DOS
DOSの頃はマルチタスクやアプリ間のコピペ機能すらなかった訳だが、今以上にいろいろできていた気がする。もちろんそれは妄想の類なのだが、世界が狭いほうが充実感を得られるということなのかも知れない。
個人的にはDOS6は進化しすぎで、DOS5が一番謳歌できたと思っている。
Windows 3.1
そのDOS上で動く不完全なOS。DOS上のサブOSとでもいうべきか。
しかし、マルチタスク、アプリ間のコピペ機能など、基本機能はここですでに果たしていた。
Windows 95
Internet時代の象徴ともいうべきOS。この爆発的ヒットにより、ハードウェアが安く買えるようになった。
一気に普及価格帯へ突入する。
もちろん、洗練されたGUIという意味では当時のMacのほうが優秀であったが、価格性能差でいえばWindowsに軍配が上がったと認識している。
これはIBMがAT互換機の仕様を公開したための必然ともいえる。NEC PC-98の崩壊の序曲でもある。
Windows 3.1からは右クリックメニューが進化の証。
Windows 98
Windows 95にさまざまな機能を追加したOSという印象。Windows 2000とWindows XPの関係に近い。
テレほに首ったけの時期。
Windows Me
Windows 9x系アーキテクチャにサスペンドとか新機能を色々載せたため、メモリ上限に達しやすい不安定なOSとなってしまった。
Windows9x系を求めるユーザが多かったため出したOSと認識しているが、DOS並みにメモリを意識するOSになった。
メモリクリーナー的ソフトは必須と言っても過言ではなかった。
Windows NT 3.51
NT系の初期リリース(正確にはNT3.1からだが、Ver3で一番普及したのが3.51である)。
インターフェイスはWindows 3.1のそれ。
しかし、アーキテクチャは一新され、9x系と比べれば格段に安定性が増した。
どちらかといえばコンシューマ向けではなく、企業ワークステーション向けだった。
Windows NT 4.0
NTの後継。
インターフェイスはWindows 95のそれ。
グラフィックドライバをカーネルに組み込むことで3よりパフォーマンスが向上したがブルースクリーン等、安定性に難がでるようになる。
取捨選択の結果であるが、世間は大方歓迎していたと思う。
自身は、当時よくわかっていなかったが、Windows 9xよりは安定していたので、特に不満には思わなかった。
Windows 2000
Windows NTのアーキテクチャを基に、Windows 9x系のインターフェイスを進化させ、はじめてコンシューマ向けを意識したNT系のOS。
9x系からの資産移行の要望が強く、大ヒットとはいかなかったと認識している。
Windows Meがでた理由もそこにあると認識している。
Windows XP
Windows 2000でのコンシューマ戦略が一息ついたところに、満を持して登場したOS。
世のアプリケーションは、Windows 2000のリリース後に、NT系OSの対応が進み、XPが出たころにはWindows 9xのみ動作といったソフトウェアはほとんどなく、世の中から歓迎された。
Windows 2000に比べれば、若干メモリなどのリソースを要求されたが、起動時間の短縮などメリットも大きく、後期はハードウェア価格の下落により、安価で性能のよいPCが手に入るようになった。
Windows Vista
Windows NT 4.0でカーネルに組み込んだグラフィックドライバを再び外出ししたOS。
これにより、安定性は格段に増した。
実行速度も、ハードウェアの進化により、問題とならないレベルに落ち着いた。
もちろん、さらなるハードウェアの進化に期待している。
Vistaによってメモリ需要が高まり、メモリ価格帯がさらに安価になり、PCの価格性能はさらに高まった。
Windows Aero は、単純に見栄えだけではなく、画面描写処理を高性能になったGPUに任せてCPUが本来のタスクに着手するという変更でもあり、スマートな設計となった。
Windows Server 2003/2003 R2/2008
いいOSだけど、サーバー使わない人にメリットがないので、今回は割愛。
Windowsのメリット
Windowsのメリット、それは競争が生まれることで、価格のメリットが生まれたということ。
これが1番ではないだろうか。
スケールメリットによってPCの価格は安くなり、競合であるMacもiMac以降、低価格帯PCに着手した。
Linuxだって、Windowsのヒットを背景に安くなったPCを流用している訳で、Windowsの恩恵と無関係ではない。
ちなみに、2番目はデファクトスタンダードであるWindows向けのソフトウェアを作る企業が数多く生まれたということだと思う。
私もその恩恵と無関係ではない。
そして歴史は繰り返す
そういった背景から、Windows Vistaは現時点で一番優れたWindowsであると思っているが、同様に、Windows 7が出たらWindows 7が一番優れたOSだと認識することであろう。
そして、世間も、Windows 2000→XPの時と同じように、Windows Vista→7でのハードウェアパフォーマンスの向上などを考慮せず、Vistaをより洗練させたWindows 7を、単にもてはやすことでしょう。
印象で語るとはつまりそういうことである。結局はMSのシナリオ通りだ。
MSに異を唱えたいのであれば、MacやLinuxにするべきである。
XPに固執しただけの発言はデメリットしか見えていないXP盲信者に見える。